青空の約束 ~先輩と私の初恋~
急いでご飯を食べ終えて、三年生の教室がある方向へ歩いて行く。
「ちょっと変な感じだね…」
なんて言いながら廊下にいる先輩方の間を抜けて、ある教室の前に止まった。
「さっきクラスの子に聞いたんだけど…あっ、あの人かも!!」
那月に肩を叩かれ指をさす方を見ると、集団の中にいる一人の男の人。クールな先輩とは違って、ずっと笑顔で明るい感じの人だ。
「絶対あの人だよ!」
「どうすればいいの?どうやって呼べばいいの?」
後ろを振り向くと男の先輩たちから声をかけられる那月。その隣で早く戻りたいと顔に出ている亜子。
これは自分で聞くしかない。
周りを見渡し、近くにいた優しそうな女の先輩に声を掛ける。
「あのっ、塚本先輩…っていますか?」
「数馬?ちょっと待ってね」
優しい先輩でよかったと安心していると、ある男の人が教室から出てきた。
「ん?呼んだの君?」
「あっ…塚本先輩ですか?」
「そうだけど…」