青空の約束 ~先輩と私の初恋~
「で、何か話があるんだっけ?」
「あの、最近須賀先輩って学校に来てますか?しばらく見かけなくて…」
「あー!風邪だって。だるいから休むって言ってたよ」
風邪って…あのときは元気だったのに
体調でも崩したのかな。
「心配って顔に出てるよ。そういえば飛鳥に渡さなきゃいけない書類があるんだった…早く渡さないとな…」
そう言ってキラキラと眩しい瞳で私を見つめる塚本先輩。
「いや、私今日バイトで…」
「明日でもいいよ!飛鳥のこと気になるでしょ?ついでに様子見ながら渡して来てほしいな〜。家は教えるからさっ」
教室に戻り、自分の机から適当に紙とペンを取り出して何かを書き始める。
「家は学校から結構近いからすぐわかると思うよ。これが行き方で、これがアパートの名前!…じゃあよろしくねっ!」
ニコッと微笑み、預けられた数枚の書類と家の地図が書かれた紙に目を移した隙に、目の前にいた塚本先輩の姿はなくなっていた。