青空の約束 ~先輩と私の初恋~
「か、ぎ…?」
靴の裏を見るように片足を少し上げると、一つの鍵が落ちていた。
誰かの落し物なのか、どこかの教室の鍵なのか、持ち上げて裏表を確認しても何も書かれてはいない。
その場で一度周りを見渡すが下校時間はかなり過ぎているわけで、私一人がポツンと立っているだけ。
本当は今すぐに誰か先生に預ければいいんだけど
「今はそんな場合じゃない!!バイト遅刻しちゃうじゃん!」
落とした人は困ってるはず…だけど私も急いでるし、落ちていた所に戻すっていうのも悪い気がするし…
「よし…っ」
明日先生に渡せばいいよね、今日一日だけ私が預かっとこ。
少しだけモヤモヤした気持ちのままその鍵を握りしめて学校を出た。