青空の約束 ~先輩と私の初恋~
「ここ、だよね…」
ある部屋の扉の前に立つ。
チャイムを鳴らすだけなのに震えてしまう手と、ものすごい速さで聞こえてくる心臓の音。
立ち始めて数分、大きく息を吸い落ち着かせるとボタンに手を伸ばした。
一回、二回…
絶対にチャイムは鳴っているはずなのに出てくる気配はない。
「倒れてないよね…?」
急に怖くなり三回、四回、五回と鳴らしたとき
「…うるさい」
ゆっくりと開いたドアの向こうから出てきた先輩本人と、小さく聞こえた先輩の声。
「先輩…!?心配しましたよ…!!」
「何でいんの?…ここ誰から聞いた?」
「それはっ…、って先輩大丈夫ですか?」
いつもと違い、真っ赤な顔に呼吸が乱れていて、本当にだるそうに壁にもたれかかる。
もしかして…そう気づいたとき、私の勘は的中した。