青空の約束 ~先輩と私の初恋~
「お互い様ってことにしときましょっ」
なんとか笑って誤魔化す私に先輩が自分の携帯を差し出す。
「俺の番号。登録」
「い、いいんですか?」
「親と数馬しか知らないスーパーレア物。絶対勝手に誰にも教えるなよ」
スーパーレアと聞いてただの番号がキラキラと輝いて見えてしまう。
登録した番号を確認して携帯をポケットにしまい、下校時間になる前に先輩の家を出る。
「じゃあゆっくり休んでてくださいね。元気になったらまた学校で」
「いろいろありがと。でも家と番号は絶対…」
「秘密ですね、わかってます!」
「そういえばテスト近いけど勉強してんの?」
テスト…の存在自体を忘れていた。
さすがの自分に呆れてしまう。
「忘れてたって顔だな。教えるよ、今日のお礼。だから四階のあの部屋に来て」
「いいんですか!?行きます!お願いします!」
先輩と新たな約束をしてその場を後にした。