青空の約束 ~先輩と私の初恋~
「ちょっと!元気だしなって!須賀先輩は学校一モテるんだよ?あれくらい想定してたでしょ」
「…そうだけど、なんかやだよ…ぉ…」
教室に戻った私は机に伏せたままさっきの出来事から立ち直れず、抜け殻状態になっていた。
「とりあえず彼女じゃないって!そもそもその女の人の方からくっついていたんでしょ?先輩って自分からいくタイプに見えないし、女嫌いっても言われてるし」
「そうだよ、大丈夫だよ!ねぇっ?」
那月と亜子の励ましが私の背中を優しく包む。
単純な私は確かに!と自分で納得すると気持ち的にも楽になり、気がつけばいつもの自分に戻っていた。
そんな私をじっと真剣な表情で見つめる那月がいつになく低いトーンで話し始めた。
「吹季は先輩のことで忙しそうだったからまだ言ってなかったけど、実は私も亜子も好きな人がいて…」
初めて聞く二人の恋愛事情。
隣の亜子と目が合うと、少し恥ずかしそうに頷く。
今冷静に考えてみれば、私は自分のことばかりで毎日のように先輩について相談をして
二人の話を聞いてあげられなかったことに対して申し訳ない気持ちになってしまう。