青空の約束 ~先輩と私の初恋~
あれから先輩に会うことはなく、とうとう夏休みを迎えた。
「お待たせしました。…750円になります」
稼ぎ時の夏休みを使って週5、6のバイトをこなし、休みの日は那月や亜子と遊びに行ったり家でゴロゴロしたりと自分なりに充実した日々を送っていた。
でも一つだけ不満がある。
週に5、6も働けば一度くらい先輩が帰ってくるタイミングが合うと思ったのに
全く会わない。いや、まず帰ってすら来ない。
「はぁ〜…」
お客さんが引いたと同時についため息が漏れる。
「吹季ちゃんごめんね、ほぼ毎日働いてもらって。せっかくの夏休みなのに…」
さっきのため息が聞こえたのか、私のところへ駆け寄り心配そうに声をかける響子さん。
「あっ、出勤のことじゃないですよ!むしろ自分から増やしてほしいってお願いしたので、感謝してます」
「そう?休みたい日があったら言ってね!調整もできるから」
「ありがとうございます!…あ、あのっ」
その場から離れて行く響子さんを呼び止める。