青空の約束 ~先輩と私の初恋~




「いつもギリギリですみません…」


学校の制服からバイト用に借りている制服に着替えると、いつものように軽い清掃から始まる。


「いいのよ。学校から徒歩だと遠いから大変でしょ?きつくない?」


小さなことでもいつも気にかけてくれる響子さん。


その優しさと柔らかい人柄が、私が楽しくバイトを頑張れる一つの理由なのかもしれない。


「学校からは遠いですけど、帰るときは家が近いので助かります」


「ならよかったわ。私たちだって吹季ちゃんが来てくれてとても助かっているのよ。丁度人が足りなくて毎日バタバタしてたから」


私がここで働き始めて今日で一週間。


私が入る前に一人が結婚を機に辞めて、もう一人が新しい仕事が決まって辞めた。


そして偶然にもママがパンを買いにこのお店を訪れた時、急募のバイト募集の張り紙を見たのを私に教えてくれたのがきっかけで私は面接を受けてみたんだ。


丁度バイトがしたくて探していた私にとって、最高のタイミングだった。



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