青空の約束 ~先輩と私の初恋~




「まぁまぁ怒らないの。女の子は笑顔が一番可愛いからね。…やべ、そろそろ行かないと」


急にチャラそうな発言しちゃって。

ほんと女の子の扱いが上手というか、慣れているというか。


私でもわかる気がする。塚本先輩は周りから愛されるタイプなんだと思う。


「怒ってはないですけど…。あっ、もし先輩に会ったら塚本先輩が探してたって伝えておきますね」


「よろしく〜!」


元気な嵐が去っていくと急に静まり返る空気に、隣にいた那月と亜子と目が合う。


「須賀先輩を探しに行きたいって顔してるよ」


「うんうん」


「え、顔に出てる!?いや別に探しに行きたいとか思ってないけどね…っ…」


塚本先輩と同様、那月と亜子にも私の心は見透かされているようだ。


「ほら、行っておいで。後はどうにかするから」


「吹季ファイト!」


「ごめん…ちょっと行って来る!!」


そう二人に告げると、ドア付近ですれ違う担任の声も聞こえなくなるほど勢いよく教室を飛び出した。



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