青空の約束 ~先輩と私の初恋~




なんとなくわかる気がする。いや、きっとあそこにいるに違いない。

そう考えているうちに足はある場所へと一直線に向かっていた。


「はっ…はぁ…」


いつもより長く感じる廊下と階段に苦戦しつつも四階へと上がり、目的地のドアの前で呼吸を整え、ゆっくりとドアを開ける。


「先輩…っ…、やっぱりここでしたか」


「息切れするほど会いたかった?」


「そんなんじゃないです…!塚本先輩が探してたので私も探しに来ました」


大きめのソファに仰向けに寝っ転がる先輩の近くに腰を下ろす。


「塚本先輩から聞きました。学園祭の実行委員になったそうですね。放課後、役員会議があるそうですよ」


「やっぱり。あのハゲ担任」


「ハゲって…!」


禿げている先生といえばあの人。と誰もが想像できるほど、生徒たちの中では怖くて厳しいと有名な先生がいる。

きっとその先生が先輩のクラスの担任の先生なんだろう。



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