君は僕のもの
第一章 互いの想い
当たり前
…愛梨Side
「愛梨早くっ!!
今日は入学式なんだからね!?」
そう言ってお母さんは玄関の前であたしの事を急かすように見る。
「…ちょ、ちょっと待ってよぉ~っ!」
真新しい制服にリボンを付けながら、
小走りでお母さんのいる玄関へ向かった。
『まったく愛梨は…
“いっちゃん家”待たせちゃってるんだから早くしなさいよね』
ちょっと嫌味っぽくお母さんは言う。
いつもならムッとして言い返すのに、
その時のあたしには“いっちゃん”という言葉に反応して…
えっ?
いっちゃん?…ええ、ええええっ!?!?
「い、いっちゃん…?」
恐る恐るあたしはその名前を口にした。
「いっちゃんはいっちゃん“樹くん”でしょ?」
少し半笑いでお母さんは『何を言ってるの?』なんて言って見せる。
…しかーしっ!!!
あたしの中でその樹という人物は、
とてつもなく…それはそれはとてつもなく、恐ろしい名前だったのです。
「樹って…、東校だったんじゃ…
え、何で?何であたしと同じ学校なの!?」
とにかくあたしの頭はパニくって、
「知らなかったの?いっちゃんは愛梨と同じ西校よ、
でも何で、わざわざレベルまで落として志望校急に変えちゃったのかしらねぇ?
…それより
ほらっ!!さっさとしなさい」
同じ…お、同じっ!?!?
樹とあたしが同じ高校…。
「え、ちょ、それはちょっと…マズ、『行くわよ』」
あたしの頭の中の「?」は消えないまま、無理やりお母さんに外に連れ出されてしまった。
そう、あたしの恋が動き出したのは今日この日から。
「愛梨早くっ!!
今日は入学式なんだからね!?」
そう言ってお母さんは玄関の前であたしの事を急かすように見る。
「…ちょ、ちょっと待ってよぉ~っ!」
真新しい制服にリボンを付けながら、
小走りでお母さんのいる玄関へ向かった。
『まったく愛梨は…
“いっちゃん家”待たせちゃってるんだから早くしなさいよね』
ちょっと嫌味っぽくお母さんは言う。
いつもならムッとして言い返すのに、
その時のあたしには“いっちゃん”という言葉に反応して…
えっ?
いっちゃん?…ええ、ええええっ!?!?
「い、いっちゃん…?」
恐る恐るあたしはその名前を口にした。
「いっちゃんはいっちゃん“樹くん”でしょ?」
少し半笑いでお母さんは『何を言ってるの?』なんて言って見せる。
…しかーしっ!!!
あたしの中でその樹という人物は、
とてつもなく…それはそれはとてつもなく、恐ろしい名前だったのです。
「樹って…、東校だったんじゃ…
え、何で?何であたしと同じ学校なの!?」
とにかくあたしの頭はパニくって、
「知らなかったの?いっちゃんは愛梨と同じ西校よ、
でも何で、わざわざレベルまで落として志望校急に変えちゃったのかしらねぇ?
…それより
ほらっ!!さっさとしなさい」
同じ…お、同じっ!?!?
樹とあたしが同じ高校…。
「え、ちょ、それはちょっと…マズ、『行くわよ』」
あたしの頭の中の「?」は消えないまま、無理やりお母さんに外に連れ出されてしまった。
そう、あたしの恋が動き出したのは今日この日から。