君は僕のもの
─ドタドタッ…!!
勢い良くあたしは階段を駆け降りると、リビングのソファに座っている樹に話し掛ける。
「…おっ、終わりましたぁ!」
「ん、…あ、これどうもっ」
短く返事をした後、柔らかい笑顔を浮かべながらお母さんにコップを手渡した。
きっとコーヒー牛乳でも貰ったんだろうな…、
とか、頭の中だけで考えてみる。
「本当ごめんねぇ…っ、
この子ったら本当ドン臭くて…、でもお母さん安心だわ!だってね?
いっちゃんが愛梨の面倒みてくれてるものね?」
なんだか楽しそうにお母さんはそう言うと、あたしと樹を交互に見て、
またキッチンに戻って行った。
…あの呑気な性格はどこからくるんだろうか?
「行く」
相変わらずの短い言葉にも慣れてしまったあたしは、そんな樹の背中を追うように歩き出す。
「今日もいい天気だねぇ!
…んーっ!!」
ゆっくりと体を伸ばして空に顔を向けると、何だか心地好い気持ちになる。
そんなこんなで今日も学校が始まる。