君は僕のもの




─ドタドタッ…!!




勢い良くあたしは階段を駆け降りると、リビングのソファに座っている樹に話し掛ける。




「…おっ、終わりましたぁ!」




「ん、…あ、これどうもっ」

短く返事をした後、柔らかい笑顔を浮かべながらお母さんにコップを手渡した。



きっとコーヒー牛乳でも貰ったんだろうな…、
とか、頭の中だけで考えてみる。




「本当ごめんねぇ…っ、
この子ったら本当ドン臭くて…、でもお母さん安心だわ!だってね?

いっちゃんが愛梨の面倒みてくれてるものね?」


なんだか楽しそうにお母さんはそう言うと、あたしと樹を交互に見て、
またキッチンに戻って行った。




…あの呑気な性格はどこからくるんだろうか?





「行く」


相変わらずの短い言葉にも慣れてしまったあたしは、そんな樹の背中を追うように歩き出す。



「今日もいい天気だねぇ!

…んーっ!!」


ゆっくりと体を伸ばして空に顔を向けると、何だか心地好い気持ちになる。




そんなこんなで今日も学校が始まる。


< 101 / 252 >

この作品をシェア

pagetop