君は僕のもの
…愛梨Side




前なら絶対に嫌って言ったら樹の『嫌』は絶対だったけど、

まさかいいって言ってくれるとは思わず。



ちょっとだけ?

…いや、かなり驚いたけど、



やっぱり“恋人同士”って感じになってから、
少しだけ優しさ?っていうのも見えてきた感じもする。




「…はぁ」


見えてきた、気が…するのかな?



映画館の中に入って、席に座る。

それからというもの…


始まるまでの間、ひたすらあたしは樹の溜め息を聞いていた。



まぁ、我慢。





「そんなに嫌なの?
…あ、はじまったぁ〜!!」


あたしのテンションは最高潮に上がる、それと同時に樹のテンションは下がる。

っん…?


大体、樹のテンションは常に低い気もするけど…。








──────────

───────

───…。




「…んーっ!!
楽しかったね!何かもうあの亮のセリフが最高に良かっ…」



あたしが熱く語り出しそうになって樹の方を見てみると、



…えぇ!?


もしかして寝てるのっ?


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