君は僕のもの
「あ、…はいっ!」
『無し』と言われてしまうて、何で?なんて聞けないし。
縦に頷く事しかできない。
本当はどうして今日はそんなに優しいの?
そう聞きたいんだけどさ。
「…で、どこ?」
「あっ!近くにゲームセンターあるよ?」
柔らかく優しく微笑んでくれた樹に、何か無性に嬉しくなってテンションが上がる。
───…。
「これ、並ばなきゃいけないの…?」
さっきの微笑みは何処へやら。
「順番だよっ!!すぐ順番くるから大丈夫」
プリクラ機の前でちょっと不満そうな樹に、何が大丈夫なのか分からないけど、
あたしはそう言って、列の後ろに並んだ。
そしてそれから直ぐに後ろから聞こえてきた。言葉、
「…ねぇねぇ、あの人めっちゃ格好良くない!?」
っっ?!
「あーっ!!!マジヤバいんだけど〜っ!…ねぇ、隣にいるのって彼女?」
「彼女かなぁ?…ん、何か違くなぁい?つか、聞こえちゃうって〜」
ケラケラと笑いながらそんな話をしている、ギャルの中のギャルって感じの女の子二人。
聞こえてます…、よ?
チラッとだけその女の子二人を見てみる。
…う゛っ!!
「何なのあの女ーっ、めっちゃ睨んでね?」
こ、こ、怖い〜〜!!
違うよ!?
ただ目が合った…、だけだもん。