君は僕のもの
「…甘いの?
でも樹あたしにも誰に対しても冷たい所あるよね?」
あたしは樹の腕の中で樹を見上げるようにして言う。
樹ってなんか冷めてるんだよね、何か。
「愛梨に対しても?それは、ないでしょ?」
「ないの?」
「だって愛梨は他の奴とは別でしょ?」
そんなことをサラリ、表情一つ変えずに言っちゃうから、
樹は本当にズルいな…なんて思うの。
「ふはは…っ」
思わずあたしはすぐに笑ってしまって、
というか多分照れ笑い、
こう何か照れちゃうとすぐ笑っちゃう癖があるの。
「それよりさ?あの、ゲーセン行った時にいた女のこと、
すっごいお前気にしてたよな」
さっきまでの不機嫌顔はどこへやら、
ケラケラと笑って樹は言うと少しだけ腕を緩めた。
気付けば樹の足の間にあたしが座ったまま、樹にすっぽり包まれている形になている。
「そうだよぉ!そぉそぉ!!
何か、樹のこと格好良いって言っててさ……っ…」
自分でもよく分からないけどやっぱり樹とは反比例。
だんだん自分のテンションが下がっているような、そんな気がした。
少しまた上を向いて樹の表情を覗けば悪戯な表情。
あー、あたしこの顔にも弱いかも。
「ヤキモチ?」
…ヤ、ヤ、ヤキモチ?!?!
ん…っ、
「そうなのかもしれない…っ」