君は僕のもの




大体あんだけさっき俺があのセリフを嫌だって言ったのにも関わらず。



…コイツは人の話を聞いてたわけ?




「ふざけてんだろ?」


ちょっと本気な言葉が思わず口から出た。



「…ううん、本気だよ?」


俺とは対照的にそんな事を言って、急にニコニコと笑いだす。



まるでさっきまでの俺と真逆の反比例。


「…アレはキツイ、」



俺は愛梨から合わせていた目を逸らして、ちょっと苦笑い。

結構これは、本気。



“俺の目にはお前しか映らない”




頭の中でフラッシュバックしてその言葉が浮かぶ。


…その瞬間、

一気に寒気がしたような気がした。




「…っ、」


でた。



不満があったりすると、すぐ黙る。

これが愛梨の悪い癖、んでそのまま一方的に色々言い続けると…、泣く。




とりあえずもう一回だけ愛梨のことを引き寄せ、耳元で言う。



「我が儘」


「そうかも…」



こういう二人の時は、どっちかって言うとコイツのが我がままなんじゃないの?



つか、付き合うようになってから?

結構増えたかも。…こういうの。


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