君は僕のもの
「ごめん、…ね?」
今度は何かと思えば、ほぼ半泣きで、
まったくコイツは…
「…怒ってないよ」
ちょっとばかりクスッと笑いながら、愛梨の髪を自らの指の間に絡ませて、
「でも…ね?不安なのは本当なの、
…樹、昔からいつも…告白とか騒がれたりするし…」
何だそれ…っ?
そんなこと思ってたのかよ、
「俺と、愛梨はいつから一緒にいた?」
少し腕の力を緩めて、愛梨の顔を見る。
出来るだけ優しく。
すると愛梨はキョトンとした表情を見せる、
「…幼稚園ぐらいの時から」
少し顔を上げ、小さな蚊の鳴くような声でそう呟く。
「俺は出逢ってから今まで、愛梨が他の男に目がいってる時もずっと…、
愛梨だけを見てきたんだけど?
…それでも、思う?そんなことは」
愛梨は思い切り目を見開いて俺の顔を見た。
…俺がこんなこというなんて、きっと思ってなかったんだろか?
何なんだろうかしらないけど、
「…でも、ならどうしてあたしのことパシリにしたりしてたの?」
あ゙ー…、
急に痛いところを突かれて、
一気に血の気が引くような感覚になった。俺。
もう大丈夫、とか言っとけよアホ。
「それは…、うん」
曖昧にそう返事をして笑う。