君は僕のもの




更にまた腕を強めて、ギュッと俺に抱きつく。

そんな愛梨の髪を少しだけ撫で、俺もキツく愛梨を抱き締めた。


何でいつもこう…、
コイツは俺を困らせる。



「…まだ不安?」


俺が言うと愛梨は横に大きく首を振って、
また俺のことを見た。



「ごめんね…?“


「何で愛梨が謝るの?」


「…だって、」


「いいよ、別に…、不安なら不安って言ってくれた方が」


そう言って俺は愛梨の顎に手を添えて、ゆっくりと耳元に唇を付けるぐらいに近付き。



「俺は嬉しい」


そう囁き、その自らの唇を愛梨の唇へずらした。




──…、



「…んっ…ふぁ…っ…」


愛梨の口から溢れるそんな声達に、
煽られるかのように俺の行為も段々と激しさを増していく。




「…愛梨、」


愛梨の名前を呼び、目と目が合えばトロンとした瞳で俺を見る愛梨の姿がある。


「な、なぁに?…っ…!?」


愛梨の肩を掴んで思いっきり俺の方へグイッと持ち上げ…、



耳元でそっと囁く。




「“…俺の目にはお前しか映らない”


でしょ」



やってしまった。



白く無限に広がる背景に黒の文字でその『やってしまった。』という言葉を書いているような…、


そんな気分に陥った。


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