君は僕のもの
「どこまでって、」
…言われても、さぁ。
焦って何も言えないあたしは、さっき飲もうとしたオレンジジュースを口にしてみるけど、
少しそのオレンジジュースの酸味が喉に染みて何だか落ち着く事も出来ないまままた美菜の次の質問が飛ぶ。
「矢上ってさ、結構エロそうだよね?」
って、次はそういう質問ですか…
「それは…そうなのかもしれないかも…」
けど、
事実関係そんな気もしないでもない、ような。
またもや曖昧な答え方をしてしまうあたし。
この癖、いつも樹に直せって言われてるような気がする…
「…付き合ったのいつだっけ?」
またウーロン茶を口にしてから美菜があたしに聞く。
「えっと、5月14日」
結構、あたし的には覚えやすい。
「もう二ヶ月経つのかぁ…って、昨日じゃん!!お祝いとかしたわけ?」
「まぁ、樹ん家で過ごしたけど」
昨日は何だかんだで一緒に居たし、いつも通り樹ペースって感じだった。
つまり、うん。
いつも通り中のいつも通り。
「でも、もう二ヶ月経つのにまだしてないんでしょ?
…大事にされてんだねぇ」
うんうんと自分で頷きながら、美菜は嬉しそうな顔をする。
てか、“まだ”って分かってたんだ。
さすが美菜。…恥ずかしながらもちょっと、思う。
「美菜…は、そういえば何ヶ月ぐらいで…その、シタの?」
しどろもどろになりながらも、やっぱり参考までに聞いておきたい。
…何だかんだ、あたしは美菜がいつその…アレをしたのかは知らないし。
いや!!
別に好奇心とかそんなんじゃ…なくて、
ま、まぁ何となくだよ!?
「あたしはねー確か…、一ヶ月ちょっとくらいだったよ?」
「…えっ!?!?」
普通にそんな発言と言うか、何というか…
意外な答えに驚いてそんな声を上げてしまった。