君は僕のもの
「普通だって、普通!」
美菜が付き合い始めたのは中学三年生の時だったよね…?
何か、世の中凄い。
というか現代社会の若者は乱れている。…とか自分だって若者なのにと苦笑い。
「…知らなかったよぉ」
そしてまだ興奮が収まらないあたし。
「しかも矢上は付き合う前からも、ずっと我慢してたんだろうしね…?
…辛いな、矢上」
その美菜の言葉には、何か不思議な意味が含まれているんじゃないか…と、そう思ってしまった。
「我慢してるんじゃないの…?」
「…そう、なのかな?」
我慢。
考えると悪い気もするけどさ?
あたしにはあたしなりにまだ…その気持ちの面で、
「まっ、愛梨にはまだ早いだろうね、お子ちゃまだし??
その時がきたら、美菜がまた色々教えてあげる〜」
得意げにそう言って、ウーロン茶の最後の一口を飲み干すと伝票を持って美菜が立ち上がった。
お、お子ちゃま…、
「…か、帰るのっ?」
何だか自分の中で、話はまだ終わっていない気がしていて無意識に立ち上がった美菜に驚いた表情を見せている。自分。
「帰るよっ!
あんまり遅くなると愛梨の王子様に怒られちゃうからね」
ニヤニヤと悪戯な笑みを浮かべて皮肉を言うと、美菜はそのまま歩きだす。
…ちょっ!?!?
「あ、今日はあたしの奢りねっ!」
会計の場所に向かう途中に、こっちに向かって言った。
「…あっ、ありがとっ」
まだ残ったままのオレンジジュースをあたしは一気に飲み干すと、あたしは急いで美菜の元へ向かった。
ちょっとだけさっきより、喉が痛んだ気がしたけど。