君は僕のもの
…樹side




「…で、それからずっと喧嘩しっぱなし、みたいな?」


ガムをクチャクチャと噛みながら楽しそうな表情で俺にそんなことを言う翔太。



別に俺だってそんなつもりじゃなかった…


「樹って本当に嫉妬深いよね〜
…しかも相手にちゃんと言わないから、かなりタチ悪い」


キャーっとか叫びながら両方の手を頬に当てる翔太、
こいつの態度に少しだけムッとしながらも一応ちゃんと話は聞いている。




それにまぁ、確かにそうなのかもしれないけど…


あの能天気な性格がムカついただけだよ。



別に。





「謝れば?…愛ちゃんなら優しいし、理由言えば許してくれると思うよ?」

「何で俺が謝らなきゃいけないんだよ」



つかさず反論。



何故か今回はあの愛梨がかなり怒ってるらしくて…


逆に避けられているわけで。




早川には『お前が悪いっ!!』とか言われるし、
俺が謝らなきゃ許さないらしいけど…この俺が何で人に頭を下げなきゃいけないんだ?


…でも、俺が悪いとは思うし。


しかも相手が愛梨となればそれはまた別の話しだ。



「だって、喧嘩してもう3日でしょ?つか…あ、また来てる」


翔太が見ている視線の先には、俺がなかなか謝る気になれない原因とも言えるような…



“アイツ”がいて。


今日もまた俺らのクラスに来ていた。


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