君は僕のもの
「あはは…あの…?」
あたしのそんな動揺を隠しきれないというような言葉を無視して、その“彼”はあたしの身体のラインをなぞるように優しく撫でる。
触れるか…触れないか。
そんな微妙な触れ方をするからビクッと身体が反応してしまう。
「……っ…」
「何?どうしたの?」
わざとだ。
わざとこんなことを言ってるんだ…
こんなことを言われたあたしは、恥ずかしさでいっぱいになってどうしていいのか分からなくなって、
だからその赤く染まっていく自分の顔を必死に隠すので精一杯。
あたしを見てクスクスと小さく笑ってみせる樹。
けどそのあたしの心臓が今にも破裂寸前ってくらいに高鳴ってしまって、
「…ちょ…っ待っ…「黙って」」
焦ってしどろもどろになっているあたしの言葉を遮るように低く“男”という感じの声で樹は言う。
黙ってなんて言われると…
何も言えなくなっちゃうのがあたし。
すると首元に何か生暖かいものが触れたような気がした。
「…っ?!」
ちょっと待ってちょっと待って!!
あたしの頭の中はまさにパニック状態で、一体自分の身に何が起きているのかが分からない。
そして少しずつあたしのワイシャツのボタンが開いて行くのが分かる。
…でも今更もう遅くて、
「誘ってる?」
「…え、えっ…?!?!」
突然そんなことを言ってあたしの露わになった下着を指でいやらしくなぞる。
樹の言った『誘ってる?』という言葉にちょっと疑問を抱く。…あたしそんなことしてないのに…
んっ!!
その樹がなぞるあたしの下着を見ると…
「あ、あぁっ!!…違うの…っそうじゃなくて…」
こないだ美菜と見に行って勢いで買っちゃったやつだっ!
「真っ黒、しかも…エッロ」
クスッと笑って樹はそう言う。