君は僕のもの
ここまで自分の身に危険を感じると…さすがにあたしも言葉を選ぶ事なんてしてられないわけで。
でもあたしがどんなに抵抗しても『はいはい』としか言わない。
クスクスと笑って樹はあたしに余裕な表情を見せる。
「ちょっ…樹っ……ん…」
ジタバタするあたしが嫌だったのか、面倒だったのかよくは分からないけど、
樹はさっきの余裕な表情から再び不機嫌な表情に変わって、
そのホックをさっき外した右手であたしの頬に触れると…
…そのまま強引に。唇を塞いだ。
「いい子にしてね」
「…あ…、…ふぁ…」
樹の舌はひたすら強引にあたしの口内を犯して、
そしてその添えていた右手はスルスルと滑るように動き、あたしのスカートへと伸びていく。
樹の深いキスであたしは熱くなり、まるで身体中が痺れていくようで。
…もう、駄目…
そう感じた時、
「…な〜!…樹、いい?」
ドアの向こうで急に声がして、
その瞬間さすがの樹もあたしからバッと勢いよく離れる。
「いきなり…何」
ハァ…っと深い溜め息をついて、
かったるそうに起き上がるとその声の主に樹は話し掛けた。