君は僕のもの




ここまで自分の身に危険を感じると…さすがにあたしも言葉を選ぶ事なんてしてられないわけで。


でもあたしがどんなに抵抗しても『はいはい』としか言わない。



クスクスと笑って樹はあたしに余裕な表情を見せる。




「ちょっ…樹っ……ん…」

ジタバタするあたしが嫌だったのか、面倒だったのかよくは分からないけど、


樹はさっきの余裕な表情から再び不機嫌な表情に変わって、
そのホックをさっき外した右手であたしの頬に触れると…



…そのまま強引に。唇を塞いだ。




「いい子にしてね」

「…あ…、…ふぁ…」


樹の舌はひたすら強引にあたしの口内を犯して、

そしてその添えていた右手はスルスルと滑るように動き、あたしのスカートへと伸びていく。




樹の深いキスであたしは熱くなり、まるで身体中が痺れていくようで。





…もう、駄目…



そう感じた時、




「…な〜!…樹、いい?」


ドアの向こうで急に声がして、


その瞬間さすがの樹もあたしからバッと勢いよく離れる。




「いきなり…何」


ハァ…っと深い溜め息をついて、
かったるそうに起き上がるとその声の主に樹は話し掛けた。


< 146 / 252 >

この作品をシェア

pagetop