君は僕のもの
さっきそんなこと一言も言ってなかったのに…
やっぱり翔太くんは調子が良い。
「…あのねぇ、アンタは調子良すぎっ」
やっぱり、美菜もあたしと同じようなこと思ってたんだ。
ハァっと大きなため息をついて美菜は言うと、あたしの隣の席に座った。
その開いている席の人は、きっとまだ学校に来ていないんだろう。もしかしたら、もう居るのかもしれないけど…
…っ、そんなこと今はどうでも良くて。
「…でも、手強いって何?
何かあるの?…英二先輩」
そうそう。
あたしの頭の中はハテナでいっぱい。
英二先輩の何が手強いのか分からないし、…何か勝負でもあるの?
「だめだなぁ~…、
愛ちゃんは男心が分かってなーいっ!!」
突然、立ち上がったと思うと…、翔太くんはそんなことを叫び出す。
…え、…何?
「あんたうるさいっ!
ちょっと黙ってなさいよ…、本当に!!」
ちょっと怖い表情で美菜は言うと、翔太くんを無理やり座らせた。
「…あい、」
さすがの翔太くんもしょんぼりして、黙りこむ。
何か可哀想かな、…とか思う。