君は僕のもの
どうしていっつもいっつも、愛梨は俺に心配をさせるんだ。
…だからコイツのことを放っておくのは危ない。
階段を駆け上がって、そのまま廊下を突っ走る。
廊下にいる生徒…、っていうか先輩達が『誰だ』とか『何?』なんて言っている声が聞こえてくる。
そのまま廊下の角の“社会科資料室”と、書いてある教室を見つけると、…俺はドアを勢い良く開けた。
―バンっ!!
「…っ……は?…」
ドアを開けて教室を見渡せば、そこには…
「あっ!!…ごめんね?
たまたまさっき英二先輩に会って…、手伝って貰っちゃったの!」
呑気に何も変わらない様子で俺にそう言う愛梨。
…え、どういうこと?
「…そんな急いで来ちゃってっ
それほど心配だったんだね?愛梨ちゃんのことが…」
クスクスと口に手を当てて笑うアイツ。
「は?…意味が分からない、」
「だから止めて下さいって言ったんじゃないですかぁ…」
明らか不機嫌な俺に対して、愛梨はそう言うと俺の方に来る。
「…っじゃ、俺は帰るよ、ばいばーい」
そんな言葉を残してアイツは教室から出ていく。
「あたしたちも…、帰ろっか?」