君は僕のもの
いつだってそうだ…、
樹はいつも上から目線で、
あたしに謝ったことなんてほとんどないし。
いっつもいっつも、あたしは樹に振り回されっぱなしで…
でも…、
それでもあたしは。
「嫌だ、」
思わず口からこぼれた言葉。
「嫌だって何が?」
フッと笑いながら、樹はそう言う。
「…何か分んないけど、
嫌だよ…、うん、嫌だっ」
「あっそ」
樹はそう言うと、あたしに笑顔を向けた。
その笑顔に一瞬…
「っあ!!
…帰るっ!ばいばいっ」
あたしは、そう叫ぶと急いで部屋から飛び出した。
とにかく走って家の部屋に向う。
―バタンッ!
急いで自分の部屋のベッドに倒れかかると、天井の方を向き、
…胸の上に手を当てた。
あたしの心臓は、うるさいくらいに“ドキドキ”と鳴っていて。