君は僕のもの




帰り道。


何故か変な距離を樹との間に取りながらあたしは家までの道を歩いていた。





「…ねぇ、何でそんな離れてるわけ?」


急に歩くのを止めて立ち止まった樹に、あたしも顔をぶつける。




「痛…っ!」

「痛いじゃなくて…、何?さっきの距離」


樹はそう言うと、不機嫌そうにあたしの顔を見る。




「…っ、」


さっきのことが頭から離れないあたしは、樹の目を見て言葉を発することが出来ない。





「あのさぁ…


意識しすぎ、…そんな意識するなら、」


樹はそう言うと、あたしに合わせるようにしゃがんで耳元で言った。






「…近いうちに、ヤるよ」


クスッと笑って樹はそのまま歩きだす。




ヤ、ヤ、ヤ…、ヤル?






「だ…っ!!!」


あたしは奇声を発して樹の後を追いかけると、樹があたしの顔を見てニヤリと、…これは余裕な表情で。




「何?…何か質問?」



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