君は僕のもの
すると愛梨は鞄から何かを取り出す。
「…えっと、
あった!!…じゃーんっ」
今までにないくらいにハイテンションの愛梨に少しだけ驚きながらも、その愛梨が机の上に出したモノを見る。
「…何?コレ、」
全員をキッと睨んでから、俺は自分の視線を『一夏のサマーバケーション!!』なんて見出しのあるパンフレットに戻す。
「観ての通り!…サマーバケーション!!!」
天井に向けて勢い良く人差し指を立てながら翔太は言った。
…何なの?
コイツらは…、
「えっと…、みんなで、…海、行かない…?」
少しさっきとは違った感じで、モジモジしながら愛梨は言うと俺のことをチラッとだけ見る。
「…え、俺ヤ…「行くよねーっ!?!?」」
“ヤダ”って言おうとしたのに、早川にその言葉は遮られて…
「分かった…、行けばいいんでしょ?」
ソファに深く腰掛けると、ハァっと大きなため息を俺はついた。
「やったぁ!!」
愛梨は嬉しそうに足をバタバタとさせると、
「やったね!愛ちゃーんっ」
続いてそう言った翔太とハイタッチをした。