君は僕のもの
ギラギラと照りつける太陽、生暖かいこの空気。
そして…、
「俺さぁ、海に行くって…、聞いたんだけど、」
そんな俺に対して、
「だから…、海だよ?」
何を言ってるの?みたいな顔をしてそう答える愛梨。
俺の質問の仕方が悪かったか、…そう思い直した俺はもう一度聞く。
「泊だなんて、俺聞いてない」
「だって言ったら樹来ねぇじゃーん!!」
そう叫んでそのまま海に突っ走って行く翔太。
「…ちょっと、翔太っ!!
宿に行ってから、海にまた来よーよ!」
つかさず翔太に言う早川。
…それより、俺はまだ頭の疑問符が離れないままで、何で愛梨の鞄が大きかったのか…
泊だったから。
「だったらそー言えよ!」
いつもよりもちょっと感情的になる俺。
着替えも何も持ってきてねぇし、…ふざけてるだろ?
「…だ、だって、美菜と翔太くんが絶対に言っちゃダメだよ、…って」
「じゃぁ、俺の着替えは?」
愛梨に詰め寄るように俺は言う、
…って、コイツに言っても意味ないのか。なんて思って言葉を止める。