君は僕のもの
「着いたねっ!…美菜、あたし達の部屋どこ?」
嬉しそうな声のトーンで、早川に愛梨が聞く。
「…え?美菜は翔太と同じ部屋!…二人で過ごすんだから!!
あっ、時間になったら愛梨たちの部屋に迎えに行くから、先に荷物とか置いてきなよ」
「ちょっとっ!!
…あたし、聞いてないよ?」
明らか戸惑った表情の愛梨に俺はクスッと笑う。
「部屋…、入らないの?」
俺がそう言うと、
「そ、…そうだね!」
動きが固い。
そのまま俺は部屋に入って荷物を床に置く、そこまで狭くないかも…。
ベッドは…、一つだけ、ね。
「…意識しすぎだよ、
何にもしないから安心して」
チラッと愛梨の顔を見て言う。
「う…、うん」
「つかさ?
…学生がこんな所泊っていいわけ?」
さっきから秘かに思っていた疑問を愛梨に投げかける。
「あっ!!
…翔太くんのお父さんが、色々やってくれたみたいで」
「…あー、翔太の親父か」
翔太の親父は、ホテル業界の中でも結構?かなり有名な人らしくて…、つまり翔太の家は俺らに比べものにならないくらい金持ち。
まぁ、だからアイツはあんなふざけた人間になったんだろう。
…なんて思う。