君は僕のもの
「…あ、うーん…、」
思い当たることがありすぎてあたしは口をぽっかりと開ける。
あ…、
「それだよ!…きっと、愛梨がそういうことばっかあまりにも言うから、やりにくくなったんじゃないの?」
グイッと美菜はあたしに詰め寄ってそう言うと、自分の袋からあるものを出した。
「…ん?」
「これっ!
…とりあえず愛梨にお守り代わりに~、
あたし先行ってるから、髪、…ちゃんとやってきなよぉ~」
美菜はケラケラと笑いながらそう言うと、あたしにあるモノを差し出して出口の方へ歩いて行ってしまった。
…お守り、って何…?
ふと自分の手に渡されて物を見てみると…
「あっ!!…ええぇっ!?!?」
思わず発した大きな声に、周りの人たちが振り返る。
「…っ、すいません…」
ペコっと頭を下げながらそう言って、…もう一度、自分の手を見る。
こ、…これってアレ、だよね?
その、…エッチの時に使う…っ
…と、とにかくこんなの持ってたらマズいでしょっ!?
そう思ったあたしは、水着を入れてきたその袋にその、…アレを閉まった。
なんつーものを…、
髪をアップにしている時も何となくまだ焦っていて、やっぱりあたしはこういうことが苦手だな…、って思ってしまう。
「…ハァ、…大丈夫なのかな…っ」
そんな独り言を言って、あたしは美菜達の元へと向かった。