君は僕のもの
「…何でパーカー?」
大体どうしてパーカーなんて着るの?…なんて思って聞こうとした時、
樹が伸ばした手の先のビニールの鞄、
…するとあることを思い出す。
っ!!
美菜にもらった“アレ”が入った袋が入ってる…っ?!
「だ…っ!!…ちょっと待って!」
鞄を引き寄せてギュッと抱きながら、少し樹から離れる。
…マ、マズいでしょ?!?!
「っ…?どうしたわけ」
驚いた表情で樹はあたしのことを見る。
…危機一髪。
あたしはそのまま抱きかかえた鞄の中からパーカーを取り出すと、そのまま肩に羽織るようにした。
「…で、でも、どうしてパーカーなんて?」
平常心を保つために、いつものような笑顔で樹にそう聞く。
「だって…、見られる、お前が」
更に不機嫌そうな感じで樹はぶっきら棒に言うと、あたしの手を握った。
それってもしかして…?
「…樹、何か可愛い」
ちょっと顔が緩みながらもあたしは樹にそう聞く。
そうすれば樹は少しだけ顔を赤らめると、あたしから顔を逸らしてそっぽを向いて。
「うるさいよ、」
そう言った。