君は僕のもの
真っ青だった空も、見上げればもう真っ赤に染まっていて…
俺たちは砂浜に腰を下ろして、寄り添うように並んだ。
「…もう空がオレンジだね」
俺に寄り掛かりながら愛梨はそう言う、
「ん…っ、」
それに対し小さな声で俺も相槌を打つ。
俺がそう言ってから少し長い時間が経って。
いつもなら『どうした?』なんて聞くけど、…今日はそんな気も起きなかった。
…沈黙も苦じゃないな、
なんて浮かれたことを考えていれば、…何故か聞こえてくる隣からの寝息。
「…っ、…愛梨?」
とっさに声を掛けると、
そこには目を瞑り、寝ている愛梨の姿。
…え、真面目に寝てる…っ?
「…愛梨、?」
あー、寝てる。