君は僕のもの
…結局は、あんまりよく分かんなかったような気がするけど。
浴衣みたいのってあんま好きじゃないから、…翔太に借りたTシャツをそのまま着て、下に穿くものがないから、今日穿いてきたジーパンを穿く。
翔太、もう戻ったわけ…?
早いだろ本当に、
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―――…。
「…あっ!
樹、夜ご飯買ってきたから部屋で食べよーよ!」
風呂から出ると、そこには愛梨、早川、そして翔太がいた。
「買ってきた…?
え、こーゆうのって宿の人が出してくれるもんじゃないの?」
「あー、何か、俺がいいって言っちゃったんだよ~」
相変わらずヘラヘラした様子で翔太は言う。
まぁ、別にいっか。
そう思って俺は愛梨の隣まで行った。
「…ねぇ、旅館の浴衣?
んー…、似あう?」
少し伏し目がちに愛梨はそう言うと、チラッと俺の顔を見た。