君は僕のもの
似合う、?
んー…っ、
「七五三?…それとも、何?」
俺がそう言って笑うと、愛梨はムッとした表情になる。
「何それっ!!
…ひどいよぉ、樹は!」
持っていたタオルでバシバシ俺のことを叩くと、頬を膨らましてそのままスタスタ歩き出す。
「…嘘だよ、嘘、似合ってる」
後ろから愛梨の耳元にそう囁くとビクッと身体を震わせて、
…真っ赤な顔でこっちを振り返る。
「…ほ、本当っ?」
「ん…っ」
そんな笑顔で言われると、さすがにちょっと俺自身も困る。
心臓が一瞬だけ高鳴ったのが分かった。
「…いっちゃんはさ~、愛ちゃんには優しく笑うよねっ?
羨ましい~、愛ちゃんっ!!」
翔太は自分たちの部屋のドアを開けながらそんなことを言う。
「当り前じゃないのっ、馬鹿でしょ?アンタ」
早川もつかさずそう言って翔太の頭をバシッと叩いた。
「…俺らも、翔太たちと一緒に食べんの?」
「え、…違うの?」
キョトンとした表情で愛梨は言う。
「…俺、部屋戻るわ」
そう言うと、愛梨が手に持っていたカップラーメンを一つ手に取ると、そのまま隣の部屋に入っていった。