君は僕のもの
一人部屋に戻ると、ベッドで寝っ転がる。
…別に嫌なわけじゃないけど、騒いだりするのってあんま好きじゃないから。
「…つか、眠いわ…」
思わずあくびが出て口元を手で覆う。
―ガチャッ
少しの間だけ目を瞑っていると、ドアの開く音が聞こえた。
「…樹?」
ひょっこりドアから顔を出すと、少しずつ俺の方まで来て、
「あたし…、ちょっと食べてきちゃったよ?」
そう言って俺が寝っ転がっているベッドの隅の方に腰を下ろした。
「ふ~ん…」
あんまり興味なさげにそう言うと、俺は起き上がって愛梨の隣に座って。
…聞いて、みるか?
「…あんさぁ、」
俺がそう言った時、
「あ゛…っ!!」
「…?…どうした?」
突然、意味の分からない声を発して、愛梨は挙動不審な動きをする。
「…ない、ない、ないっ!!」
ピンクの水着とかを入れていたビニールの鞄を置いて、タオルを部屋に干そうとしたのか、
鞄からタオルを取り出そうとしていた愛梨が『ない』をひたすら連呼した。
…そして俺の頭によぎったことが一つ。