君は僕のもの
もしかして愛梨が無くしたのって…
コレ…っ?
ポケットの中に手を突っ込んで、あるモノを触った。
「…愛梨、何か無くしたの?」
俺はそう言って愛梨に話しかける。
分かっていながらカマを掛けるように聞いて、
…愛梨の答えを待つ。
そうすれば、俺の予想通りに愛梨の顔色が変わる。
「…っ!?、
いやぁ…、別にそんな、たいした物じゃ、…ないんだよ?」
明らかに焦ってる。
むしろこんなんじゃ嘘もつけないんだろうな。
…そんなことを少しばかり思った。
「愛梨が無くしたのって…、
もしかして“コレ”…かな?」
俺はそう言うと、人差し指と親指であるモノをつまんでみせた。