君は僕のもの
見事に『そうです』って言ってるよーな顔。
そんな姿に思わずクスリと笑ってしまう。
「な、何で…っ!?
…っ、ぢゃなくて、その…」
もう今さらそんなの遅いのに。
まだ、あーだこーだ言いながら言いわけ?知らないフリ?をしようとする。
「…愛梨さぁ、
“こーゆうコト”…に、興味あるんだね」
俺の中のドSの部分に火がついてしまい、
「ち、違う…っ!」
愛梨は真っ赤になる顔を両手で隠しながら、俺から逃げるように後ずさる。
「…ねぇ、愛梨?」
壁際まで愛梨を追い詰めると、わざと耳に息が掛かるような声でそう囁く。
すると顎を引いて、敏感な反応をする愛梨。
「…ち、がう、の…、
本当は…違うの…っ!」
下を向いて表情も何も分からない状態で愛梨はそう言った。
…違う?
「違うって、な……」
『違うって何が?』
本当はそう聞こうと思ってたのに、
床に落ちた大粒の水滴が、俺の言葉を止めた。