君は僕のもの
「あっ!?
…何か今めちゃくちゃ嫌そうな顔したっ!」
早川は俺に妙な笑顔を向けるとそう言う。
こいつ等ってやっぱり付き合ってるだけあって、似てるのかもしんないなぁ…
…なんて、
そんなことえお考えてみたり。
「別にしてないケド…」
「…ふ~ん、
つか矢上って本当に愛想、悪いよねぇ、」
「そーそーっ!
樹の特別は愛ちゃんだもんね?…あ、そう言えば愛ちゃんは何処にいんの?」
翔太は、ふざけた笑顔を俺に向けると、あたりをキョロキョロと見渡す。
「あー…、愛梨ね!また誰かさんの“我が儘”のせいで買いに行ってますよ?カレーパン。
…もうちょっと、優しくしてあげればぁ?」
俺に嫌味な事を言って、それと同じような嫌味な顔をすると、
翔太の腕にくっついて別の場所へ歩いて行った。
あー、そ。俺は放置なわけね…
…つか、
優しく…、か?
そう心の中で呟いて屋上のてすりにもう一度、手を掛けて空を見上げる。
「…はぁ、
よく分かんねぇな…」
そして、少しの間だけ目を瞑った。