君は僕のもの
「…ば、ばかっ、
今、…何時ぐらい…っ?」
からかう樹に少しばかり怒ってから、気になったことを聞いてみる。
「うーん…、っと、四時半過ぎ…」
ベッドの隣にある小さな棚の上にある携帯を見てから、そう言った。
「…じゃぁ、
そこまで経ってないんだね」
「だったらもう一回ヤッとく?
…愛梨、何か誘ってるみたいだしさ」
そう言って、樹はニヤッとしてあたしの髪をサラッと撫でるように触れて、
…え、?
もしかして、
「…ちょっ!」
思わず身体を隠すように、タオルケットを無造作に自分に巻きつけた。
「なんだ、違ったんだ」
少し手で口元を隠しながら樹はクスクスと笑ってあたしのことを見ている。
珍しく『面白い』なんて言葉を樹が口にするから、
あたしも何故かクスッと笑ってしまった。