君は僕のもの
…樹side




昨日の夜は、可愛いなんて言葉じゃ言い表せないくらい、綺麗で…



とにかく…

本当に幸せな気持ちになった。


男はヤりたいだけだ、なんて…、よく女子達は言ってるけど…



本当はそんなことない。

他の男はそうであっても、俺はそんなんじゃない。





タオルケットを自分に巻きつけて、愛梨は頬を膨らませて俺を睨みつける。

…まぁ、怖くも何ともねぇけど、




「着替えたいんだけど…っ」


「どうぞ?」



わざとらしく笑って俺はそう言う。





そうすれば思った通りの不満そうな顔、



「…トイレ行ってくるっ!」


俺に対して『あっかんべー』とかわけの分かんないことを捨て台詞に、そのまま旅行鞄から服と下着を出して、トイレに向かった。



なんだアイツ。




誰もいなくなったベッドの上でクスッと笑ってしまう。



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