君は僕のもの
「…何か長かったねぇ~」
「そうだねっ、でも楽しかったよぉ!」
家までの道のりを四人で帰っている途中、後ろで翔太と愛梨がそんな会話をしてるのが聞こえてくる、
「あ、…つか早川がアレ渡したんだってね、愛梨に」
愛梨が後ろで翔太と話しているかわりに、
俺の隣には早川が居て、何となく昨日のことを聞いてみた。
そうすればニヤニヤして俺のことを見る。
…何考えてるわけ?
「…むふふっ、
でも、そのおかげ様って感じだったでしょ?」
俺の肩をポンッと叩いて早川はそう言うと、目を細めて笑いだす。
「まーね、」
少しだけ笑って俺は言った。
愛梨以外の女で、俺がここまで普通に話すのは早川くらいだろうな…
昔から一緒だし…
「でもね~、
油断は禁物だからね?…意外に愛梨、モテるんだから」
早川の“モテる”って言葉に俺は反応する。
…何だそれ、
「モテるって…、何かあるわけ?」
気になって俺はそう聞き返して、
「英二先輩とか…?」
その名前を聞いて、
俺は少し笑う。