君は僕のもの
今日は天気がいいかも、
とか、思いながら暖かい風に当たっていると、
「…樹っ!
買ってきたよ、カレーパン」
愛梨は俺の顔をヒョイッと覗きながら左手に持っていたカレーパンを俺に差し出した。
「ん、」
「ありがとうは~?」
ちょっと膨れた様子で、愛梨は自分の持っているメロンパンの包みの袋を開け始める。
「…何で俺が感謝しなきゃいけないわけ?」
何故かやっぱりコイツの前になると、
こういう刺々しいっつーか…
勝手に口がペラペラ喋っちゃうっつーか…
こんな態度しか取れない。
ずっと長い間、一緒にいるのにな。
「…っもう!」
メロンパンを食べながら愛梨は更に膨れる。メロンパンが口に入ってるせいか更に頬は膨らんで、ちょっと笑える。
…本当、いつも思う。
何で…、どうして。コイツはこんな俺に振り回されてんのに平気で一緒にいてくれるのか、
ま、長い時間一緒にいたし、家も隣だしね。
仕方ない、って言えばそうなるけど…
「…あのさぁ、
一つ聞きたいことあるんだけど、いい?」
遠慮がちに上目遣いで愛梨は俺に聞いてきた。
「何?」
俺は一言、そう聞き返す。