君は僕のもの
「…ねぇ、何回も聞くけど、何かあったわけ?」
帰りの途中、樹が心配そうにあたしの顔を覗きこんでそう言った。
何かあったわけ?…じゃないよっ!
「……、文化祭のコンテスト、…出るんだってね」
あたしがそう言って樹をキッと睨みつけると、少し歩くスピードを速める。
すると、樹も歩くスピードをあたしに合わせて言った、
「誰に聞いたの…?」
何それ…?何か嫌だな、そういうのって。
「…誰でもいいでしょ?
良かったね、応援してるよ」
少しだけ笑いながらそう言うと、あたしは家の中に入って行った。
「おいっ!…愛梨っ」
後ろでそんな声が聞こえて、でもあたしは振り向く事もしないで、
何が誰に聞いたの…?だよっ!
そういうこじゃないでしょーが、本当に…
「…バカ、」