君は僕のもの
…樹side





「…だから、何で俺が…?」

翔太が屋上に行きたいって言うからついて来てやったのに、目の前には両方の手の平を合わせて俺に頭を下げる翔太がいて…、



一体何か…と、言えば。


これは今からちょうど10分くらい前、







「なーんで俺らの学校にはミスコンって無いんだろうな~」

屋上の手すりに寄り掛かって、悔しそうな表情で翔太は言うと、『美菜なら1位なのにー』とか叫び出す。



うるさい、


…でもこの学校って、女は無いけど男のコンテストはあるって前聞いた気がする、




「でも、男はあるんだろ?

…出れば?お前」



俺はそう言うと、翔太と同じように手すりに寄り掛かる。





「ばっ!?…学年で1位だろっ?

無理無理~」



誰も1位になれなんて言ってないのに…、“出る”のと“優勝”は別物だろ。

思わずクスッと笑ってしまう。





「…学年1位決めて、そっからステージの上で西高のナンバーワンを決める!

く~っ!、その男が羨ましいっ」



何にこの男は燃えてるんだ…?



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