君は僕のもの
行きたいなら、行けばいい。
俺には関係ないし。
「行けばいいじゃん」
「…無料券あったら、
すっごーい嬉しいんだけどなぁ〜」
だったらお前が出て優勝すりゃいいだろ、
「お前が出れば?
…つか、金あんだろお前ん家」
苛々しながら言うと、ポケットに入っていたガムを取り出す。
「俺は、自立の心を常に持ってるから!!」
…え、?
わけが分からない。
俺が言った『お前が出れば?』って言葉は、見事に流された。
「あっそ」
ガムの包みからガムのを出してそのまま口の中に入れる。
…なんだろ、
マスカット?
「なぁ…、
ちょっと提案が「嫌だ」」
翔太に言われる前にさきに否定をする、
「なんでぇ〜!
つまんない!つまらなすぎ!」
…それはお前がだろ?
「つまんなくていいよ、俺はね」
屋上の入り口へ歩き始めると、つかさず“何か”が俺の体にまとわりつく。
…“何か”と言っても、
まぁ、アレってゆうかアイツってゆうかね。