君は僕のもの
「…離れて」
俺は冷たくそう言うと、自分にまとわりつく翔太から逃げるように距離を置く。
「お願いっ!!」
「嫌だ」
「まだ何も頼んでねーじゃんか!!」
…まぁ、確かに。
「樹が出れば優勝できるって!
そしたら愛ちゃんと遊園地だぜ!?…焼き肉だぜっ?」
だからどうした、と言いたくなるような感じで。
でも相手にするのも面倒だから無視をする。
「せっかくの文化祭だよ?」
「…だから?」
「何でそー刺々しいのかね~」
そう言って翔太はポケットから携帯を取り出す。
すると『そうだねっ!…樹は頼んだって無駄だしね』なんて言いだして、不敵な笑みを浮かべながら誰かに電話を掛けはじめた。
…?
「……っあ!!樹が出てくれるって!…うん、そーそー!
えっ!?!?…マジっ?やっべぇー、おう!
…じゃぁなぁ~」
ふざけんな。
「おい」