君は僕のもの
そのあと何度か、
『何かあった?』とか『どうした?』とか聞いたけど全部反応はいまいち。
…しばらくの沈黙の後、
「…ねぇ、何回も聞くけど、何かあったわけ?」
いい加減…、って感じで本気でそう聞くと、俺は愛梨の顔を覗くようにした。
チラッとこっちだけ見た愛梨の表情は、何だか不満そうで…
「……、文化祭のコンテスト、…出るんだってね」
俺をキッと睨みつけてそのままさらに歩くスピードを速める、
“文化祭”と聞いた時にはもしかしたら…、とか思って。
“コンテスト”って言葉が耳に入った時点で『動揺』という文字が頭の中に浮んだ。
速く歩きだした愛梨に近付いて、
「誰に聞いたの…?」
そう聞いた瞬間、…凄く嫌そうな顔をする愛梨。
こういう時に何故かいつも失敗をする俺。