君は僕のもの
愛梨に答えを求めるようにチラッとだけ見ると、
「…誰でもいいでしょ?
良かったね、応援してるよ」
少し笑いながら愛梨はそう言って、
もう目の前にある自分の家へ入っていこうとする。
「おいっ!…愛梨っ」
珍しく俺はそう叫ぶ、…けど愛梨は振り返りもせずにそのまま家の中へ入っていってしまった。
ガチャンと、閉まったドアの音に妙に虚しさを感じながら俺も隣にある自分の家へ向かう。
…全部、アイツのせいだ。
俺は全ての責任を翔太に押し付けながら自分の家の中へ入って行った。
自分の部屋に戻って携帯をポケットから取り出すと、またもや珍しくメールを打ち出す。
【今日はごめん、本当はちゃんと言うつもりだった。】
打ち終わって少しボーっとしてから、
…何か謝るのって、嫌だ。
そういう結論に達してその打ったメールを消した。