君は僕のもの
「…あの~、どれがおススメですかぁ?」
甘ったるい声でそう言う先輩らしき女。
…知らねーよ、んなもん。
とか思いながらもここは笑うしかない。
「んー、…俺あんま分かんないっす」
俺は少しはにかんでそう言う。
そうすれば先輩達はお互い顔を見合ってキャーキャー。
香水の匂いが…、キツい。
「…あれ?、
もしかしてコンテストでる子?…写真載ってたよねっ?」
その先輩の女集団の中の一人がそんなことを言いだして、
あ゛…、
「あー…、はい、」
今度は少し苦笑いでそう答える。
「やっぱり~っ!
あたし応援しちゃうっ」
「あたしも~」
うるさい先輩たちにかれこれ付き合わせれて、やっとのことでオーダーを取った。
「…俺がいっとくよ」
「あ、ありがと」
翔太にも助けられて俺は肩の荷が下りたように、再びハァっと大きなため息を一つ。